【貿易】Shipping Adviceとは?メール例文やサンプル、INVOICEとの違いを紹介

【貿易】Shipping Adviceとは?メール例文やサンプル、INVOICEとの違いを紹介

別名で「輸出者の義務」と呼ばれることもあるShipping Advice
貿易管理において、輸入者との信用にかかわる大事な書類です。

このように表現すると難しく考えがちですが、伝えるべき内容が記載されていれば問題ありません。
この記事ではShipping Adviceとは何か、どのタイミングでの送付が必要かについて解説します。

Shipping Adviceとは?

Shipping Adviceとは?

Shipping Adviceとはどういう意味でしょうか?
直訳するとShipping(船積み) とAdvice(通知)を組み合わせた言葉です。
つまり、輸出者が「船積みを行いました」という通知書のことです。

貿易業務の場合、受注段階でも納期の取り決めはしますが、実際に船積みをする日、海運の場合はどの船に乗せるか、空運の場合はどの航空機を利用するかは受注段階で決まらないことの方が多いです。
理由としては、例えば受発注業務の場合はトラブルで出荷可能になる日が後ろ倒しになりうるからです。
つまり、出荷日はこの段階では輸入者に伝えられないものと考えておく必要があります。

そのため受注後に利用する船、もしくは航空機が確定して出荷日と到着予定日が確定したら、輸入者にそのことを別の書類で通知します。これがShipping Adviceです。

輸入者からすると商品がいつ発送され、いつ届くのかという情報はとても大事です。
納期通りに届くのかはもちろん、その後販売する場合は納入期限にも関わるため、特に大事な情報です。
そのため、輸出の出荷日情報は輸入者に早く通知する必要があります。
これが輸出者の義務と呼ばれる理由です。取引の信用にも関わってくるため、忘れないようにしたいものです。

メール例文とサンプル付き!いつ、どのように、何を記載して送る?

メール例文とサンプル付き!いつ、どのように、何を記載して送る?

Shipping Adviceを送るタイミングですが、船積みが終わったタイミングであれば出港日が確定した後なのでこのタイミングで輸入者に送付することが一般的です。
ただし、例外もあります。
例えば、日本から東南アジアに輸出する際などの短距離便の場合は、出港から到着までの時間が短く、Shipping Adviceを紙面送付していては到着までに間に合わない可能性があります。

そういったスケジュールに余裕がない場合は出荷日が決まったタイミングでShipping Adviceを先に電子メールで送付することもあります。早めに送付することで、輸入者も安心して予定を立てやすくなります。

また、Shipping Adviceを送る際に他の船積み書類であるInvoicePacking List原産地証明書を同梱して送ることもあります。
送付方法については他の船積み書類のように書面で作成して紙面を送付しないといけないように思われますが、実際は紙面送付のほかに電子メールでの送付、FAXでの送付を行うことが可能です。

電子メールの場合は、発送のご連絡として作成し、Shipping Adviceを添付します。
以下、メール例文を記載します。

Title: Invoice No. XXX – Shipping Advice

Dear 〇〇,

Our invoice No. 35XXX
We are pleased to let you know that all items in Invoice No XXX are ready for shipment.
Attached please find Shipping Advice for our invoice XXX.

We thank you for having placed this order with us and hope we may soon again be of service to you.

Kindest regards,
署名

次にShipping Adviceの記載内容を解説します。

図 Shipping Adviceのサンプル

義務と呼ばれるぐらいなので厳密にフォーマットが決まっているのだろうと思われたかもしれませんが、実は定められたフォーマット、必須項目はありません。
ただし、記載を推奨される項目というものはあります。以下、細かく解説します。

■ 輸送方法
輸送方法を表記します。海運の場合は商品を積んだ船の名前をここに記載します。
空運の場合は「AIR」や「AIR FREIGHT」のように記載し、航空便名を記載する。
■ 出港日
海運の場合は商品を積んだ船、空運の場合は航空機が出発する日付を表記します。
■ 積込港
商品を積んだ場所を表記します。海運の場合は港名、空運の場合は空港名を表記します。
■ 入港予定日
商品を積んだ船、もしくは飛行機が到着する港、空港に到着する日付を表記します。
■ 荷下港
商品が到着する場所を表記します。海運の場合は港名、空運の場合は空港名を表記します。
■ Invoice番号
貿易取引時のInvoiceに記載した番号を表記します。どの貿易取引に対するShipping Adviceなのか分かるようにします。
■ 商品情報
商品名、数量、金額など、輸出する商品の情報を表記します。サンプルではカートン数、金額合計を表記しています。

以上、項目について解説しました。
あくまで推奨項目であり、これ以外の内容を記載することもあります。
輸入者と取り決めて、伝えるべき内容を記載することが大切です。

実は送らなくてもいい?Invoiceとの違いは?

実は送らなくてもいい?Invoiceとの違いは?

Shipping Adviceは輸出者の義務とされていますが、いざ輸入者として取引をすると来ない場合もあります。
法律で必須とする規定が特にないためです。
例えば、輸出者の中にはB/L(船荷証券)を送付することで船積み完了扱いにして、わざわざ書類を分けてShipping Adviceを作成、送付しないパターンも存在します。

このパターンは双方の取り決めがあって成り立ちます。
そうでない場合、輸入者からするといつまで経ってもShipping Adviceが届かない状態となります。
その先に販売するなどがあるとそのスケジュールが立てられなくなります。輸出者への不信にも繋がります。

基本はShipping Adviceは義務と考え、何も指定がなければ輸入者にあらかじめ送るものとしておくのが無難です。
その後双方での取り決めがあれば、省略をしても構わないでしょう。
似たような船積み書類としてInvoice(Commercial Invoice)があります。これは商業送り状と呼ばれ、輸入者に対しての納品書として作成するものです。

これには輸送方法、積込港、荷下港、商品情報など共通する部分があり、ケースマークなどの船積み情報が含まれています。ただし、出荷日、入港予定日の項目は含まれず、いつ商品が到着するかの連絡としては使わないものです。
そのため、通常はInvoiceと別で作成します。

貿易管理ソフトを利用して負担軽減

推奨される項目はありますが、レイアウトは自由なShipping Advice。
もちろん手書きで作成しても問題ありませんが、負担を少しでも軽減したい場合は貿易管理ソフトを利用するのがおすすめです。そして、貿易管理ソフトでは他の船積み書類も一緒に作ることができます。

例えばInvoiceを作成し、それを基にShipping Adviceを作成するといったことが可能です。
これにより番号管理が簡単になり、作成の手間も少なくなります。また、ファイル出力をすることで電子メールへの添付も簡単になります。

また、ソフト上で編集するので、修正の手間も該当の箇所を入力し直すだけで済みます。
過去に作成したShipping Adviceは保存されるので、再印刷や、送付済みのものを再度確認することも容易です。

【まとめ】Shipping Adviceとは?メール例文やサンプル、INVOICEとの違いを紹介

■ Shipping Adviceとは?
・輸出者が輸入者に対して作成。輸入者に出荷日、到着予定日を伝えるために作成するもの。
■ どのタイミング、どんな内容で作成する?
・タイミング:商品が到着するまでに送付する必要がある。
・一般的には船積みが完了したタイミングだが、出港から到着までが短い場合はそれより前に送付することもある。
・紙面、電子メール、FAXで送付する。内容は輸送方法、出港場所と出港日、到着場所と到着予定日、輸送する商品の情報の表記が推奨されるが、固定フォーマットはないためこれ以外に通達する件があれば一緒に表記し、送付する。
■ 送らなくてもいい場合がある?Invoiceとの違いは?
・Shipping Adviceの送付は法律で決まっているわけではないため、双方の取り決めがあれば省略できる。
・そうでない場合は基本的に送付するもの。
・Invoiceには出港日、到着予定日の記載はないため、代用にはならず専用で作成する必要がある。
■貿易管理ソフトを使用することによる手間の軽減
・他の船積み書類を一緒に作成できる。それらからShipping Adviceを作成することができる。
番号管理、訂正の手間が少なく、過去に作成したものを再度呼び出して確認することも、再印刷することも可能。

今回はShipping Adviceについてのコラムでした。
大事な書類ですが法律やフォーマットで決まっていることはなく、身構えるほどではない書類ということ、伝わりましたでしょうか。負担を軽減するため、貿易管理ソフト導入をぜひご検討ください。

この記事を書いている株式会社サンプランソフトは、30年間、一貫して貿易システムに特化してきたシステムベンダーです。
貿易管理システム「TRADING」では今回記載したShipping Adviceはもちろんその他の貿易書類の作成にも対応しています。貿易業務における負担を軽減してみませんか?

製品についての資料も公開しておりますので、お気軽にダウンロード・ご相談ください。