貿易業務のミスを削減!書類作成や事務管理を効率化する方法とは?

「ヒューマンエラー」という言葉が普及して久しいこの頃、ビジネスの現場で起きる“ミス”には「過失」と「故意」の2つに分かれているという認識が一般化してきました。
どちらも結果として損失を生む可能性がありますが、その背景を正確に理解することで適切な対策が講じられるはずです。
本稿では貿易業務におけるミスの本質を見極め、貿易管理システムでミス低減につなげるプロセスを紹介していきます。
貿易業務の主な課題は、貿易書類の作成

貿易業務といっても輸出から輸入にいたるまで、幅広い業種や職種があることは周知の事実かと思います。
その中でも業界特有の物といえば、やはり貿易書類が挙げられるのではないでしょうか。
インボイス/パッキングリストをはじめとする船積書類には、多様な種類に加え様々な書式やルールなどがあることから、業務の中でも特にミスも発生しやすいと言われます。
例えば、出荷ロットの決定ひとつとっても、本船スケジュール/生産や調達の進捗管理/コンテナ詰めの効率化など、多くの要素を短期間での調整を求められる中での書類作成です。担当者単位で業務のやり方が整備されていない場合は、ケアレスミスのリスクが高く、かつそのミスが輸出入が止まる・・・といったトラブルにつながることもあり得るでしょう。
続いては、ミスが発生した後にはどういったリスクが考えられるのか、次項にてコスト増加/信用問題という二軸で紹介していきます。
事務作業のミスが引き起こす、コスト増加や信用問題

誤発注や納期トラブルはどの業界にもつきものですが、税関や外貨が関わる貿易業務では、よりスケールが大きいものとなりがちです。
書類の上では些細な記載モレや転記ミスであっても、以下のようなリスクを引き起こすことにつながります。
■コスト増加のリスク
例えば、誤った書類の提出や手配ミスによる貨物の遅延は、追加の保管費用や運送費用が発生する原因となります。
また、納期遅延が契約違反とみなされる場合、損害賠償が求められる可能性もあります。
さらに、関税や税金の申告ミスは、罰金やペナルティを招き、所属企業への不要な財務負担をもたらすことになるでしょう。
■信用問題の発生
書類の不備により通関手続きが遅れると、大抵は納期が守れなくなります。
季節商品など、期日厳守の商材を扱う顧客にとっては、今後の取引を考え直すきっかけになり得るのではないでしょうか。
また、不正確なインボイスやパッキングリストが提出された場合、税関で貨物が止められたり、関税計算で問題が生じることがあります。
これが頻発すると上述の金銭的リスクに加え、取引先や税関から「意図的な虚偽申告」という疑念すらかけられた結果、所属企業全体の評判を傷つける事態にもなりかねません。
さて、ここまでは課題や懸念ばかり述べてしまっていましたが、次項からはいよいよ改善フェーズとなります!
ミス防止に必要な、輸出入書類の作成プロセスとは?

まず、冒頭で記した「ヒューマンエラー」の防止が課題です。人間のやることですから、うっかり誤記をすることもままあることです。
こういったケアレスミスについて、本稿をお読みの貴方であればどう対策されるでしょうか?
例えば、現場作業からITエンジニアまでおなじみの「指差呼称(指差し確認)」を実施するといった手段もその一つでしょう。
厚生労働省のHP(*1)によると、確認項目に対して「●●、ヨシ!」と声を発してチェックする行為は、目視と比較すると1/6程度までミス防止につながるといった効果があるといわれています。
(*1)職場のあんぜんサイト:指差呼称[安全衛生キーワード]
しかしながら、これだけで再発防止とするのはいささか性急といえます。
特に貿易業務においては、多種多様な書類や取引先ごとに異なる書式、加えて日本語以外のドキュメントも多々存在する環境です。
いかに優れた人材であってもミスは起こりうるのですから、”人材”以外の改善策を検討することがミス防止の恒久対策における第一歩となるでしょう。
つまりは業務システム導入による業務の効率化、これこそが貿易業務でのミスを減らす最効率のソリューションだと考えます。大抵のシステムでは、フォーマットの選択や決まりきった取引先名・住所の記載、記入事項の転記など、ヒューマンエラーの頻発する箇所は可能な限りデータベース化し、呼出し/コピーを行うフローへ集約されます。
つまり、シンプルではありますが手書きを極力減らすというプロセスこそ、最大のミス防止策といえるのではないでしょうか。次はいよいよ最終章となりますが、システム導入の効果を実際の画面を交えて紹介していきたいと思います。
貿易システムが提供する付加価値
■手作業からの業務変革/ミス防止と効率化
書類作成一つとっても、システム導入によって大きく能率が変わることとなります。
冒頭でも述べたように、貿易業界では書類の転記が頻繁に行われますよね。
例えば、複数ある書類の明細をまとめたい、といった要望も、選定するシステムによっては下図のように2-3クリックで完了してしまいます。
つまり、ただケアレスミスを防ぐだけに留まらず、手作業から大幅なスピードアップも期待できることでしょう。

■ミスを防ぐために必要な「チェック体制」の構築
サラリーマンにつきもののストレス、上司や他部署の承認印行脚もチェック体制の一つではありますが・・・先述したように、人間のチェックにはミスがつきものです。
コスト削減と正確性向上を実現するために、以下のような機能でシステム内での承認体制を構築することも、ミス防止の大事な要素といえるでしょう。

最後に、各見出しごとにまとめたものを記しておきます。
まとめ
■貿易業務の主な課題は、貿易書類の作成
→代表的なものは短期間での調整を求められる中での書類作成
■事務作業のミスが引き起こす、コスト増加や信用問題
→納期遅延の発生などによる不要な損害賠償や、税関からの指摘
■ミス防止に必要な、輸出入書類の作成プロセスとは?
→すべての情報をデータ化し、手書き/手作業を極限まで減らす
■貿易システムが提供する付加価値
→ミス防止に留まらず、作業スピードや正確性などが飛躍的に能率アップ
今回は貿易業務のミス低減、そのソリューションについて述べさせていただきました。
貿易管理システムを例に挙げて説明しましたが、システム導入によるDXは今後の貿易業界においても不可欠なトピックといえるでしょう。
本稿をお読みのあなたも、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
この記事を書いている株式会社サンプランソフトは、30年間、一貫して貿易システムに特化してきたシステムベンダーです。
貿易管理システム「TRADING」で貿易業務における悩みを解決してみませんか?
製品についての資料も公開しておりますので、お気軽にダウンロード・ご相談ください。