貿易業務をデジタル化!システムでデータ活用と連携がもたらす新たな可能性とは?

貿易業務をデジタル化!システムでデータ活用と連携がもたらす新たな可能性とは?

2024年3月1日より通関電子データ送信が義務化されたことは、貿易業務に関わる皆様にとっても身近な話題だったのではないでしょうか。全ての国と地域宛ての国際郵便物に対して、手書きラベルなどでの送付を禁止し、電子データの送付を義務付けるといったものでした。

上記は国際郵便の安全性と効率性を高めるためのステップでしたが、これに限らず日常の貿易業務についても様々なデジタル化への取り組みがなされています。

本稿では官民が主導する電子化政策の紹介をはじめとし、電子データの活用方法や当コラムをお読みの方への貿易業務改善へとつながるソリューションを紹介していきます。

日本の貿易業務における電子化の現状

近年の貿易関連業務において、NACCSは、もはやITインフラと呼べる存在になり得たといえるでしょう。

1970年代には成田空港の一通関処理システムだったものが、現在では官民共同で用いられる“総合的物流情報プラットフォームシステム”として6000社以上に利用され、年間6億件を超える船舶・貨物などの通関情報や貿易データを処理しています。

日本の貿易業務における電子化の現状

ただ利用者や件数が多いというだけではなく、システムの発展に伴って実際に大幅な業務改善を実現しており、例えば輸入通関処理の所要時間は1991年から2018年にかけて、65%以上もの削減がなされているという結果が出ています。*1

注釈:*1 財務省 第13回 輸入通関手続の所要時間調査結果について
https://www.mof.go.jp/policy/customs_tariff/trade/facilitation/ka20240626.htm

しかしながら現状、未だ “全ての貿易関連業務がシステム化された”とはいえないでしょう。
業界や会社によっては個人個人がそれぞれExcelなどで帳票作成を行っており、書類の体裁が統一されない・・・といった話題をよく耳にします。
次項ではデジタル化の効能について、業務担当者のみならず幅広い範囲へのソリューションとなり得る理由を紹介していきます。

データの活用と連携がもたらす新たな可能性

例えば会計ソフトなどの導入を検討する際、「ただ書類作成者が楽になるだけでは・・・?」というイメージをした方は多いのではないでしょうか。

業務のシステム化・電子化には、確かに「単一の業務改善」という効果があります。
しかしながら”DX(デジタル・トランスフォーメーション)”というワードが流行したように、データの多くは”活用・連携”されてこそ真価を発揮するといえます。

貿易書類を例とすると、もし入力用途としてだけ導入すれば ”担当者が発注書をミスなく作成可能” というミクロレベルの効果に留まってしまうことでしょう。

そこからさらに”関連書類の自動作成”や、”蓄積データから、年単位の受注傾向を分析”といった利用イメージを広げ、ひいては「情報の可視化」や「意思決定の迅速化」 といったシステム利用者/企業の抱える問題/悩みを解消するためのソリューションとして、システムやソフトウェアは日々進歩しています。

データの活用と連携がもたらす新たな可能性

一例としてTRADINGシリーズという製品では、下記のようにデータを自動で取りまとめてくれる”分析”機能を有しています。

● 既存入力データから、数クリックで売上/仕入/プロジェクト単位といった分析結果を作成
● 出力レイアウトを好みの体裁に変更可能

貿易管理システム「TRADING」

機能の詳細は選定するソフトにもよりますが、いずれも特別な準備を必要としないという点が共通して挙げられるでしょう。そしてこれらの機能は、一担当者だけのメリットには留まりません。

“データの活用”が可能となることで、これまで隠れていた受注傾向や在庫のムラなどといった情報が可視化され、営業計画や発注フローといった業務のあらゆる面で改善の指針となりうることでしょう。
最後に、デジタル化に成功した実際の事例を紹介したいと思います。

成功事例から学ぶ貿易業務のデジタル化

1) 貿易用会計ソフトを活用した企業の成功事例
ある医療機器メーカーでは、手作業で船積書類の書式を販売先ごとに変更する必要から、日常的な作業工数の多さに苦慮されていました。

加えてアナログでの帳票作成であったため、会議などで用いる資料は別途作成しなければならないという状況を打破したく、システムの導入を決められました。

これにより、販売先ごとに書式を登録・呼出しが可能となり、作業効率の大幅な向上を実現できました。
資料についても数クリック、かつ集計範囲や取引先での絞り込んだ柔軟な運用も行えるため、デジタル化が日々の作業工数低減に大きく貢献したと言えるでしょう。

導入事例:Bメーカー様|サンプランソフト (sunplan.co.jp)

2) デジタル化による業務改善の実際と効果
兵庫県の食品商社である企業様は、輸出事業の拡大に伴い貿易システムの導入が行われました。

もともとINVOICEやPACKING LISTなどの船積書類をExcelで作成・管理していたところ、取り扱うアイテム数の増加や過去書類の管理といった面での限界を感じ、システム化の検討を始めたとのことでした。

導入後は特に書類の自動作成機能を活用され、これまで没頭していたExcelのコピー&ペースト作業から解放されたと述べられています。
効果にしてなんと業務スピードが5倍に向上したという実績は、本稿をお読みの方にも魅力的な数字ではないでしょうか?

導入事例:河田トレーディング株式会社_導入事例事例|サンプランソフト (sunplan.co.jp)

まとめ

日本の貿易業務における電子化の現状
→日本の貿易業務はNACCSをはじめ電子化が進んでいるが、完全にはシステム化されていない

データの活用と連携がもたらす新たな可能性
→会計ソフトの導入は業務効率化だけでなく、データ活用による”見える化”や意思決定の迅速化に繋がる

成功事例から学ぶ貿易業務のデジタル化
→書類の自動作成/資料や分析機能の活用で、包括的な工数削減を実現している

今回は貿易業務のデジタル化について述べさせていただきました。
システム導入の例だけ見ても、担当者視点では工数削減や正確な書類作成、経営・戦略的視点では蓄積したデータの分析など、ミクロからマクロまで非常に有用な効果を発揮していたといえるでしょう。

本稿をお読みのあなたも、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
この記事を書いている株式会社サンプランソフトは、30年間、一貫して貿易システムに特化してきたシステムベンダーです。

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