【貿易】Commercial Invoiceの書き方!意味やテンプレートなども合わせて紹介

【貿易】Commercial Invoiceの書き方!意味やテンプレートなども合わせて紹介

貿易管理には多くの書類が必要で、どの書類が必要なのか迷うぐらいです。
その中で輸出業務を行う際に最も大事と言っても過言ではないのがCommercial Invoiceです。

なぜ大事と言われるのでしょうか。正式な書類かつ用途が1つだけではないからです。
本稿ではこのCommercial Invoiceの書き方について解説していきます。

Commercial Invoiceとは?

Commercial Invoiceとは?

そもそもCommercial Invoiceとはどういう意味でしょうか?
直訳するとCommercial(商業の) とInvoice(送り状)を組み合わせた言葉ということが分かります。
つまり、商業を使う際に相手に送る書類のことです。
ただし、本稿では貿易の書類なので、もう少し細かい意味を持ちます。

貿易の場合のCommercial Invoiceとは、納品書にもなり、請求書にもなり、船積書にもなる、多用途な書類です。
輸出を行う際、受け取り主に提出するものです。

そして、それだけに留まらず通関手続きを行う際にも必要な書類になります。
最も大事という意味、分かっていただけたでしょうか?
Invoiceと呼ばれる書類は何種類かありますが、その中でもCommercial Invoiceがメインの書類となります。

他にもInvoiceと呼ばれる書類が!違いは何?

他にもInvoiceと呼ばれる書類が!違いは何?

単にInvoiceと呼ぶ場合このCommercial Invoiceを指すことが多いですが、他の書類を指す場合もあります。
他のInvoiceとつく書類と、Commercial Invoiceとの違いについて解説していきます。

■Proforma Invoice
直訳すると、Proforma(仮の) Invoice(送り状)という単語を組み合わせています。
輸出先へ見積の段階で送る書類として使用する場合もあれば、仮のCommercial Invoiceとして使われる場合もあります。

内容はCommercial Invoiceと似ています。ただし、正式なInvoiceとは扱われません。
仮での作成段階と、実際の取引の段階では、数量、金額、送り先などが変わることは十分に考えられるため、正式なInvoiceとしては使用しません。あくまで仮のInvoiceです。

■Shipping Invoice
直訳すると、Shipping(船積み) Invoice(送り状)という単語を組み合わせています。
輸出の際に実際に船に積まれた貨物がどのような商品かの情報、数量、どのように船積みを行うかの情報など、実際に船に積まれる貨物の詳細を記載した書類です。納品書、船積依頼書などとして使用されます。
Commercial Invoiceとの最大の違いは、通関に使用できないことです。

そのためCommercial Invoiceで代用されることもあります。

■Customs Invoice
直訳すると、Customs(税関) Invoice(送り状)という単語を組み合わせています。
そのままの意味で、輸出の際の通関に使用する書類です。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど特定の国ではフォーマットが存在するため、専用に作成する必要があります。

そういったものがない国を相手とした輸出の場合は、Commercial Invoiceで代用できるため不要です。
以上をまとめると、Commercial InvoiceはShipping InvoiceとCustoms Invoiceの2つの役割を持っています。

これだけあれば問題なし!必須項目について

では、そんな大事なCommercial Invoice、さぞ細かく形式が決められているのかと思いきや、実は決まったフォーマットはありません。
ただし、必要事項を漏らさず記入する必要があります。逆に言えば必要事項さえ網羅していれば書き方は自由です。
しかし、どこにどんな項目があるかなど見やすい書き方は意識する必要があります。

各必要事項について解説していきます。

■発行日
Commercial Invoiceを発行した日を記載します。

■Invoice番号
他のInvoiceと被りがないように固有の番号を割り当てます。何桁などのフォーマットはありません。

■輸出者情報
輸出しようとする、つまり自身の会社情報(部署名、担当者、住所、電話番号、FAX、メールアドレスなど)を記載します。

■輸入者情報
送り先の情報(社名、部署名、担当者、住所、電話番号、FAX、メールアドレスなど)を記載します。届け先が住所と異なる場合は届け先も一緒に記載します。

■輸送手段                      
船で輸送するのか航空機で輸送するのか。利用する手段の便名、出発予定日など、輸送手段について記載します。

■積込港、荷下港
商品を船もしくは航空機に積む場所、経由地、船もしくは航空機から降ろす場所を記載します。

■商品情報
何を、いくつ、幾らで輸出するのかなど、各商品の情報を記載します。以下、具体的に記します。

■品名
その商品の名前を記載します。通関に関わるため、型番ではなく一般的な名称、例えば飲料ではなくワインなど、具体的に何なのかを記載します。

■数量・重量
その商品がいくつ入っているかを記載します。
Shipping Invoiceとして使用する場合、重量による記載を併記する場合もあります。単位も必要です。

■単価金額
その商品が幾らなのかを記載します。通貨単位も必要です。

以上、商品情報の詳細についてでした。

■支払条件
取引先との商取引における決済方法を記載します。電信送金(T/T Remittance)や、信用状(L/C)といった形で記載します。

■ケースマーク
荷物を識別するラベルを記載します。貨物にも同じものを貼り付け外側から確認できる状態にしておきます。通関に使用する場合は必須項目です。

■インコタームズ
貿易を行う際の取引条件を記載します。
ここで記載するのは、国際商業会議所が制定した規則に合わせたものです。3文字の短縮語と指定地を記載します。
短縮語について以下に例を示します。

・EXW Ex Works 工場渡
・FCA Free Carrier 運送人渡
・CPT Carriage Paid To 輸送費込
・CIP Carriage and Insurance Paid To 輸送費保険料込
・DAT Delivered at Terminal ターミナル持込渡
・DAP Delivered at Place 向地持込渡
・DDP Delivered Duty Paid 関税込・仕向地持込渡
・FAS Free Alongside Ship 船側渡
・FOB Free On Board 本船渡
・CFR Cost and Freight 運賃込
・CIF Cost, Insurance and Freight 運賃保険料込
・原産国

商品の原産国はどこかを記載します。輸出先によっては原産地証明書を添付する必要があります。

■署名
署名を記載します。コピーで問題ない場合もありますが、直筆が必須の場合もあります。

■有償か無償か、無償であればその理由
輸出する商品が販売するための商品で有償なのか、贈り物などの品物で無償なのかを記載します。無償の場合は贈り物やサンプルなどの理由を記載します。

以上、必須項目について解説しました。

これらをすべて漏れなく、英語で記載する必要があります。
不備があると通関を通せないどのトラブルとなるため、確認をしながら記載する必要があります。

それでも大変?貿易管理システムにおまかせ!

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レイアウトは自由であり、必須項目さえ押さえればCommercial Invoiceは作成できます。
しかし、必須項目の数は少なくありません。
Excelなどで手作業で作成しても問題ありませんが、確認、不備の修正は最悪作り直しになり、時間と手間がかかってしまいます。そのようなときに便利なのが貿易管理システムです。

以下のようにInvoice番号を入れ、それに対して各項目を入力していくのみで実際に使用できるCommercial Invoiceが完成します。Invoice番号ごとの管理なので他のCommercial Invoiceとの重複を心配することなく管理ができます。
不備があったとしてもそこを消して入力するのみで済み、作り直しの手間が大幅に省けます。

また、他の書類からのコピー機能が実装されているものであれば、新たに入力する手間すら省くことができます。
例えば見積用にProforma Invoiceを作成していて、そこから内容が変更されていなければこのProforma Invoiceを参照して作成するのみ、クリック5回程度の操作で作成できます。

図 貿易管理ソフト(TRADING-SD)によるCommercial Invoiceの作成例

まとめ

●Commercial Invoiceとは?
請求書、納品書、船積書を兼ね、他Invoiceを兼ねること、通関に使用できることから輸出用の書類として最も大事と行っても過言ではない。

●他のInvoiceとつく書類との違い
異なるというよりは、他のInvoiceとつく書類をCommercial Invoiceで代用できることもあるように、汎用性が高いのがCommercial Invoice。

●各必須項目について
固定レイアウトはなく必須項目を押えておけば作成可能。

●貿易管理ソフトを使用することによる手間の軽減
手作成の場合はInvoice番号などの管理が大変で、不備があった際の修正も大変だが、貿易管理ソフトではそういった手間を大きく軽減できる。

今回はCommercial Invoiceについてのコラムでした。
固定レイアウトはなく必須項目さえ押さえておけば書けるということ、伝わりましたでしょうか。
さらに負担を軽減するため、貿易管理システム導入をぜひご検討ください。

この記事を書いている株式会社サンプランソフトは、30年間、一貫して貿易システムに特化してきたシステムベンダーです。貿易管理管理システム「TRADING」では、今回記載したCommercial Invoiceはもちろんその他の貿易書類の作成にも対応しています。貿易業務における負担を軽減してみませんか?
製品についての資料も公開しておりますので、お気軽にダウンロード・ご相談ください。