PROFORMA INVOICEとは?COMMERCIAL INVOICEとの違いや書き方をご紹介!
貿易を行うにあたり、たくさんの書類作成が発生します。
主要な書類のひとつとしてインボイス(送り状)がありますが、そのインボイスにも、実はいくつかの種類があります。
今回はインボイスの中でも「プロフォーマインボイス(Proforma Invoice)」にフォーカスをして、目的やその他のインボイスとの違い、書き方例についてご紹介いたします。
目次
プロフォーマインボイス(Proforma Invoice)とは?
1、プロフォーマインボイスは「仮送り状(見積書)」のこと
「仮の、形式上の」という意味をもつプロフォーマ(Proforma)と、「送り状」という意味をもつインボイス(Invoice)を合わせたもので「仮送り状(見積書)」とも呼びます。正式なインボイスの前に作成する仮の書類のことです。
では、そもそもインボイスや正式なインボイスというのは何なのでしょうか?
2、インボイス(Invoice)とは?
一般にインボイスと呼ばれるものは、売主(輸出者)が買主(輸入者)に発行する、商品明細書や代金請求書のことで、正式には「商業送り状(Commercial Invoice)」と呼ばれます。
インボイスには商品の明細、輸出者と輸入社の情報、荷物の送り元と送り先、取引条件等の貿易に必要な情報が1つにまとまっているのが特徴です。
税関手続きや保険の申し込みなど、貿易におけるさまざま場面で使用されています。
プロフォーマインボイスは、貿易をおこなうにあたり、前述したような取引の詳細について、正式なインボイスを作成する前に、買主と売主にとって見積書の役割や、コマーシャルインボイスが用意できない状況で代替書類として使用するために作成をします。
その他のインボイスとの違いは?
1、その他のインボイスの紹介
インボイスには前述した2つのインボイスの他にも種類があるため違いを簡単にご紹介します。
●シッピングインボイス(Shipping Invoice)
船積み用の送り状です。納品書や配送指示書のような役割を持つ書類です。
●カスタムズインボイス(Customs Invoice)
税関手続き用のインボイスのことです。日本では商業送り状の提出をしますが、買主(輸入者)から輸入国側のカスタムズインボイスを求められることがあります。
2、プロフォーマインボイスとコマーシャルインボイスの違い
コマーシャルインボイスは商品を発送する際に発行される請求書であり、輸出および輸入申告を行います。
そのため、基本的には途中で変更することが出来ません。
一方で、プロフォーマインボイスは正式なインボイス(コマーシャルインボイス)の発行に先駆けて発行される仮の送り状です。見積書や請求書として使用しますが、公的な効力を持つ書類ではありません。
では、次にプロフォーマインボイスはどのような場面で使用されるのかを説明します。
プロフォーマインボイス(Proforma Invoice)を使用する主なケースとは?
プロフォーマインボイスを使用するケースは以下の場合があります。
1、注文確認(見積書)
プロフォーマインボイスには取引をするにあたり、どのような条件で商品を売買するかを決めるための見積書役割があります。売主がプロフォーマインボイスを作成し、その条件をみて買主が購入するかを決めます。
2、許認可取得
貿易では扱う商品によって許認可が必要になることがあります。
許認可申請をする時には、正式なインボイスが用意出来ない場合が多いため、プロフォーマンボイスを代替書類として使用します。
3、商品代金の支払手続き
貿易を行うにあたり様々な決済条件があります。決済条件が「電信送金前払い(T/T In Advance)※1」・「現金前払い(Cash In Advance)※2」・「信用状(L/C)決済※3」の場合、買主は商品の出荷より前に支払いを行います。
支払時に正式なインボイスが用意できない場合が多いため、プロフォーマインボイスを代金支払いの手続きのために銀行に提出します。
※1 電信送金前払い:電信送金による前払のこと
※2 現金前払い:商品を受け取る前に現金で支払うこと
※3 信用状(L/C)決済:輸出者と輸入者の間に銀行が入って決済取引が行われること
プロフォーマインボイスは通関に使用できる?
プロフォーマインボイスは日本では通関に使用できません。
通関時は確定した詳細情報が必要なため、コマーシャルインボイスを使用します。
(ただし、プロフォーマインボイスとコマーシャルインボイスとの区別なく通関で通用する国や、通関にプロフォーマインボイスが必要とされる国もあります。)
プロフォーマインボイスの書き方(一例)
ここまで、プロフォーマインボイスの目的や使用するケースについてご紹介してきましたが、ここからは書き方や一例をご紹介します。
プロフォーマインボイスは売主(輸出者)が作成します。書式は英語で記載されていることが一般的です。
決められたフォーマットは特には無く、必要事項が記載されていれば問題ありません。
ただし、記載内容の不備があると手続きが行えない場合があります。
許認可取得や支払い等で使用する場合は、プロフォーマインボイスに記載すべき内容はあらかじめ確認して、漏れが無いように注意しましょう。
次にプロフォーマインボイスの参考例と項目の詳細を紹介します。
項目詳細
- No.(書類番号):プロフォーマインボイスの番号
- Date(日付):プロフォーマインボイスを作成した日
- Shipper(輸出者):輸出者の会社名、会社住所、電話番号など
- Messrs.(輸入者):輸入者の会社名、会社住所、電話番号など
- Consignee(お届け先):お届け先の会社名、会社住所、電話番号など
- Validity(有効期限):プロフォーマインボイスの有効期限
- Shipment(出港日):出港予定日
- Destination(入港場所):商品の引き渡し場所
- Payment(支払い条件):T/T(送金)の条件
- Description(商品名・詳細):商品名、材質、成分など
- Quantity, Q’ty(数量):商品の個数と単位
- Unit Price(単価):有償の場合は販売価格、無償提供の場合は市場価格
- Amount(合計金額):商品ごとの合計金額
- Grand Total:インボイス全体の合計金額
- Trade Terms(貿易条件):輸出者・輸入者で取り決めた取引条件
- Signature(サイン):担当者名と担当者サイン
【まとめ】PROFORMA INVOICEとは?COMMERCIAL INVOICEとの違いや書き方をご紹介!
今回は、プロフォーマインボイスについて、ご紹介をしてきましたがいかがだったでしょうか?
■プロフォーマインボイス(Proforma Invoice)とは?
見積書や、正式なインボイスの代替書類として使用する書類
■プロフォーマインボイスの使用目的
・注文確認(見積書)
・許認可取得
・前払いやL/C決済
■プロフォーマインボイスとコマーシャルインボイスの違い
・コマーシャルインボイス:見積書や許認可取得のための正式なインボイスの代替
・プロフォーマインボイス:輸出入の申告のため
■プロフォーマインボイスの書き方(一例)
・作成者:輸出者
・書式:英語が一般的
・項目:送り主と受取人の詳細 / 商品の詳細取引条件と支払方法 / 配送方法
貿易関連は類似した名前の書類が多く、それぞれの目的が判断しにくい書類がいくつか存在すると思います。
それぞれの目的を理解し、目的にあった資料を使用していきましょう。
また、貿易書類は規定のフォーマットがないことから、資料作成に苦労されている貿易担当者様も多いのではないでしょうか?
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