荷印(Shipping Mark)とは?書き方やサンプルをご紹介!
今回は、貿易関連の重要な要素の一つである「荷印(Shipping Mark)」について解説します。
荷印と聞くと、宅配便の段ボールに貼られている割れ物注意のシールを思い浮かべる人もいるかもしれません。
荷物を取り扱う人々に運送中の慎重な取り扱いを促すために使用されます。
貿易業務でも、荷印は荷物の取り扱いや目印として必要不可欠なものであり、荷印の役割や書き方について理解することは非常に重要です。
今回は荷印がどのように使われているか、どのように記載すべきか、サンプルも交えて書き方について紹介いたします。
目次
荷印(Shipping Mark)とは
荷印とは、輸出入される貨物の外装に記載する記号や番号のことです。
貨物の輸送において目印として利用され、シッピングマークやケースマークとしても知られています。
包装や箱のはっきりと見えやすい位置に記載し、効率的な物流と荷物の正確な配送を可能にしています。
荷印が果たす役割に焦点を当て、実際の貿易の流れでどのように使われるのかを交えた上で説明したいと思います。
荷印の役割と貿易プロセス
荷印は、特に混載便において輸出品や輸入品を特定する役割を果たします。
港のCFS倉庫や通関業者は、この荷印を参照して貨物を判別し、荷印に基づいて書類と内容が一致しているか確認をします。
輸出時の流れ
書類(船積指示書(S/I)・インボイス・パッキングリスト)とともに、荷印の記載内容を慎重に照合します。
日本からの輸出においては、書類と一致した荷印が不可欠です。
荷印がないと、倉庫で商品を受け取ってもらうことができないかもしれません。
これは、どのお客様が何の商品が入っている輸出品であるかわからなくなってしまうのを防ぐためです。
輸入時の流れ
書類(船荷証券(B/L)・インボイス・パッキングリスト)とともに、荷印の記載内容を慎重に照合します。
しかし、輸入時には送られてくる商品に荷印がないことがあります。
この場合、個数や貨物の写真を確認し、輸入品を特定する必要があります。荷印の欠如は通関手続きや貨物の引き取り自体がスムーズに進むことができなくなり、確認が取れるまでは難しくなってしまいます。
荷印の利用の便利さと留意点
荷印は混載便での輸出においては必要不可欠ですが、コンテナ貸切便(FCL)の場合は必須ではありません。
ただし、商品の種類が多い場合は、荷印の使用が便利です。
これは、税関検査や商品の受け取りにおいて、荷印があることでスムーズな進行が期待できるためです。
総じて、荷印は貿易において非常に重要な役割を果たすツールであり、正確な情報と慎重な取り扱いが求められます。
これによって、輸出入プロセスが円滑かつ確実に進行し、貿易取引全体が安定したものとなります。
荷印(Shipping Mark)のサンプル
ここでは、具体的な荷印のサンプルを見てみましょう。
荷印自体には決まった書き方があるわけではありません。
このサンプル自体は上から、以下を表しております。
- 主マーク(Main Mark)
- 仕向港(Port Mark)
- ケースナンバー(Case No.)
- 貨物の原産地表示(Country of Origin:サンプルはMade in Japan)
- 取扱上の注意(Care Mark サンプルは割れ物、取り扱い注意の意味)
- 総重量(Gross Weight)
荷印(Shipping Mark)の書き方
では、具体的に荷印をどのように書くかを見ていきましょう。
再度お伝えいたしますが、荷印には決まった書き方があるわけではありません。
基本的には荷印を見た人が以下の事柄がわかるような書き方であれば大丈夫です。
- 貨物の中身
- 貨物の仕分け
- 梱包された貨物の取扱い上の注意事項
- 容積や重量の判別
よって、記載内容は一般的には以下の項目になっています。
- 主マーク(Main Mark): 買手の頭文字と組み合わせた重要な記号
- 仕向港(Port Mark): 輸送先の港を示すマーク
- ケースナンバー(Case No.): 商品のケースに関連する番号
- 貨物の原産地表示(Country of Origin): 例えば、「Made in Japan」など、貨物の製造国を示す表示
- 取扱上の注意(Care Mark): 貨物の取り扱いに関する注意事項
- 総重量(Gross Weight): 貨物の総重量
- 純重量(Net Weight): 貨物の純重量
- 容積(Measurement): 貨物の容積や寸法
今回ご紹介した荷印のサンプルもシンプルな書き方になっています。
ただし、以下の場合は追加で記載する必要があります。
- 信用状取引の際、輸入者から指定された情報や事項を記載。
- 医薬品や危険物など、相手先政府当局がマークやラベルに関する指定事項がある場合は記載
貨物を確実に輸送先に運ぶためには、この荷印を使って貨物の特定や仕分けを行います。
当たり前のことですが、他の人が見てわかりやすいように書く必要があることは皆さんもご理解いただいていると思います。
最後に、基本的な書き方のポイントや工夫を挙げてみます。
- 連番を付ける: 複数の貨物の場合、連番を付けることで貨物の紛失を防ぎます。
- 記載する場所: 側面から見えやすい場所に記載し、二面以上は記載するようにします。
- フォントや文字の大きさ: デザインよりも、はっきりとわかりやすいフォントを選び、大きくはっきりとしたものが良いです。また、インクやマーキングが薄れないよう、耐水性のあるものを用いて書くと良いです。
- 取り扱い上の注意の記載: よく使われる記号や表記を用いると、わかりやすいです。
“Fragile”(壊れ物注意)や”Handle with Care”(取り扱い注意)、積み重ねが禁止であればDo Not Stack(積み重ね禁止)と記載します。
【まとめ】荷印(Shipping Mark)とは?書き方やサンプルをご紹介!
今回は荷印(Shipping Mark)について解説しました。
貿易において、荷印はスムーズな運送や通関作業を実現するために必要不可欠です。
是非、これらの役割や書き方を押さえながら、荷印の作成や確認を行ってください。
これによって、貿易のプロセスがより効率的に進行し、トラブルを未然に防ぐことができます。
荷印の大切さを理解し、正しく活用して、安全かつ円滑な貿易を実現しましょう。
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